考察

ことさらに三類の例を並列し、
料金、認知、情報共有、親密性、雇用形態、セキュリティの6要素に着目して比較するのにはわけがある。
アイドルとは何ぞや、という問いは、常にもう一つの別の問いを発している。
即ち、一般女性とは何か、という問いである。
アイドルヲタクの中には青春時代に一般女性に見向きもされず、
いたたまれぬ疎外感、老いと焦燥と絶望の中に骨をうずめていくものがなんと多いことか。
アイドルに血眼になれるほど女好きな者が、その辺を歩いている一般女性に声すらかけられないのは
実はアイドルと一般女性の間に大きな隔たりがあるからではない。
その隔たりが如何なるものであるかがわかっていないからなのだ。
はち切れんばかりの躍動的な若さをたたえた、かわいらしい十代の女の子たちと、
40、50のいいようにハゲ散らかしたキモデブという見た目の隔たりばかりが目につき
実はその奥にあるもっと根の深い隔たりを見極めようとしないからアイドルやメイドに逃げるのだ。
私が列挙したこれら6要素とは、実はお前ら腐りきったヲタクが見ようとしなかった心の隔壁である。


断じて言おうか。
一般女性に会うには金がかからないというのは妄言だ。
おしゃれのこと、食事のことを考えれば彼女だったとしても一回会うだけで多分結構金がかかる。
これがメイド喫茶ならチャージ無で500円、地下なら3600円とかなり限定されるのだ。
一般女性だから自分のことを簡単に覚えてくれるという風にも考えるべきではない。
女は自分に都合のいい男のことしか覚えていないと考えるべきだ。
ところがメイドは注文記録書かなきゃいけないから仕事上名前を覚える。
地下も事前にHPに書きまくったりしとけば顧客層の薄さから回数重ねて覚えてくれる。
運よく会場外で出くわした俺などは奇跡的なラッキー童貞としかいいようがない。
よいか気持ちの悪いヲタクどもよ。
この6要素をメイドや地下がだいぶ引き下げてくれているおかげで
お前らが禿あがった頭でのうのうと夢を見続けられるのだ。
つまり、アイドルというのは男女の隔たりを引き下げたり、
あるいは端から諦めざるを得ないほど高邁に保って、
いい年をした中年に若い初恋の夢の続きを見せてくれる究極の存在だと言わなければならない。


しかし何たる予断!!!
私はこれまでアイドルとは才覚あって初めて推せるものだと考えてきた。
セキュリティを最大限まで犠牲にして必死でキモヲタの相手をしてくれる地下アイドルを見るまでは!
ヲタに夢を見せるのがアイドルの仕事であるなら、アルコール入れたヲタの隣に座らねばならんのか、
それはアイドルの仕事なのか、もう少し守られていてもいいのではないか。
これは当人らにとってはまったく余計なおせっかいかもしれない。



しかし俺は劣悪な労働環境下で文句言わずに働く彼女らを見て、既に別の夢を見ている。
いつの日かもっと大きなアイドルになって、俺たちの手の届かないところに羽ばたいていく。
そう。イッツ ア フェイマス ドリーム。