秋葉総選挙と地下の時代

MJでは桃色クローバーが他の既存・新興勢力を抑えて圧倒的な存在感を示し
AKB総選挙では大島優子が初めて前田敦子を抑えるという快挙を成し遂げた。
このような象徴的な下剋上をいくつか取りあげて
時代そのものが安定した人気の上に頓挫しているアイドルを志向しているのではなく
アンダーグラウンドからのし上がってくる少女たちの物語性を重視し始めるようになってきているのだ、
それこそがアイドル戦国時代の幕開けだ。という議論がみられるが、
まったくの的外れであることを指摘しておかねばなるまい。
諸君らは戦国というものを全く理解していない平和ボケのゆとり野郎どもだ。


戦国史の専門家として言わせてもらうと
戦国ではこのような筋書き通りの出来レースや臨場感に欠ける収録済みの口パクは通用しない。
今日の至弱が一手の策で明日の至強になっていても何ら不思議のない殺伐とした世の中を戦国と言うのだ。
信長が戦術の奇策を用い四千の軍勢で二万五千の今川を倒した、これは戦国である。
しかしその信長が近畿一円を抑えて安土に築城し、
対抗するのは毛利、上杉、長曾我部等の一部勢力に限るというのは
これはすでに安土桃山時代というべきである。
今の時代は強いて言うなら策と策とがせめぎ合う戦国時代を通過しなかったアイドル安土桃山時代だ。
AKB一強対諸勢力といった構図の中で対抗馬として扱われているのは
実のところ一定以上の資本を持った事務所所属のアイドルのみであり、
スマイレージハロプロももクロはスターダスト、東京女子流はエーベックス、
バニラビーンズなど聞いたこともないがミラクルバスと提携がある。)
結局はマネーゲームに乗っかった一部金持ち同士の道楽という意味合いしかない。
しかも資本の大きいほうが勝つという予定調和の中に折り込まれ済みだから
こんなものをみて何が戦国時代かと気付きもしない平和な時代に
程よい鈍さで生まれたことを感謝するがいい。


資本主義という経済思想は自由を謳う一方で圧倒的な資本力を持つ一部の人間が
大多数の貧乏人を金の力で抑え込み、自由を奪うという傲慢な国家体制を作っている。
このような経済思想が民主主義と結びつき、一部資本家の利権を守るのが
当然の民意であるかの如く錯覚させているのが現代日本の最も醜悪な愚かさだ。
断じていうなれば現代民主主義、資本主義のありかたは
絶対王政期の一部近代専制国家のあり方よりもいびつで愚昧である。
愚昧な国家体制のもとでは高尚な文化は根付かず、才覚は浪費され、
愚者と貪欲だけが肥え太り、しまいには国家そのものを食いつぶすのである。
諸君らは平和ボケの中で間違った認識から間違った戦国を熱望し、
今回のアケカス総選挙に大金をつぎ込んだが、それはこの国に渦巻く
不平等と、弛緩と、主従関係と、衆愚を一掃するどころか助長する行為である。
あえて言おう、国賊であると。
真の戦国の中で策を捻り出して生き抜こうとする本当のアイドル、
生き抜くための必死な人間の姿、偽物ではない本物の涙が見たかったら地下に来い。
大資本に拠った前述のアイドル連にそれらを求めるのは
湖半ばで落とした鍋を沿岸で探すような愚かさだと早急に気づくがいい。
我、いつも紺プリは資本に拠らず才覚に拠るアイドルのみを推すことをここに明言し、
一切の不純を排除した純粋なヲタ活動のみを行うものである!!!