資本主義下での狼の選択

五月末の藤本美貴フライデー報道から猶六ヶ月、
活かさず殺さずの実質的な飼い殺し状態にあって我ら藤本ヲタは
主の近況を掴むこともままならぬまま悶々たる日々を送ってきた。


たまに目を向ける電影台では
真昼からえた非人の生業宜しく、世俗に媚びる
五流芸人共が下世話な私事を公共の電波で垂れ流し、
黒眼鏡の司会者の寵意を得んがため聴衆を不快の底に陥れる輪廻。
その耳も汚れる低俗な嘲笑の対象こそが、まさに
求め得る主の唯一の残像であることがどれだけ我々の矜持を傷つけてきたか。


かくの如く踏み躙られ、虐げられた状況の中でやっと掴んだ主の消息が、
皮肉にも主を貶めた下流週刊誌によるものだったことはいたたまれない。
しかしながら、不愉快なえた非人ずれの口から出る真偽のほども定かならぬ
薄汚れた下露情報に比すれば、暗中無にある我々の
求めてやまぬ姿がはっきりとそこにあった一点において、光明となりえた。


我ら狼はそこに映る藤本美貴の姿から確かなる上意を汲み取ることが出来る。


下の写真を見て欲しい。
口の端に上せるのも憚り多い下流週刊誌が
スクープと称しながら個人の肖像権を堂々と侵害した一枚がここにある。

この目を正視できるか、狼よ。
資本主義経済の腐りきった現代社会における、最も強靭な労働者の目だ。
詰らん生活を続けるために、
詰らん思いをしながら会社に媚びることを一切やめた本当の戦士の目だ。


この腐った日本資本主義帝国には不平等と格差とが蔓延仕切っている。
片方には責任を放棄しながらも堂々と世に出続け、
茶の間の失笑を買う同僚があり、
片方に危ない橋を渡りながら堂々と守られ続け、
失墜した権威に未だ寄りかかろうと言う無名の格下がいる。


その差はと問えば実力に拠ったものでなく、天命に拠ったものでもなく
ただ単に資本家どもの都合に拠ったものだと、
無能な資本家どもの禦し得る、禦し得ないに拠ったものだと。
こんな馬鹿げた理由でなぜ我ら労働者が働く場所を奪われなければならん。
藤本美貴は完全に明白な答えを出したのだ。


「全国の労働者よ、働くな!」


全国70万のニート諸君。上下狼の労働者達よ。藤本美貴の上意である。
我々が働いて本当に儲かるのは誰かよく考えよ。
腐れ資本家共が儲けるほどに、おまえらは貰っておるのか。
少しでも心に疑念のあるものは即刻争議ストライキを以って蜂起すべし。
小心な者、内心びくついておる者は大それたことだと考えなくてもよい。
ただ単に会社を休め。働くな。
しばらくは有給が付く。その間に会社に損失を与えろ。
藤本美貴のような天才が、天才として世に出れない世の中はおかしい。
資本主義を根底から突き崩して、新たな世作りを我々狼の手で行なうのだ。