藤本の歌謡路線復帰とその意義

先日、藤本美貴が正式に歌謡歌手復活を宣言し、
堀内孝雄とともに新曲「置き手紙」を披露した。
楽曲と売り上げに関する総括は後に語るとして、今回は藤本の復帰に伴う
ハロプロ内部におけるパワーバランスの変化について考察したいと思う。
今回の人事が、副産物としていくつかの変化をもたらしていることは
既に諸兄もご存知の通りだ。
それらの変化は、明らかに藤本美貴を台風の目として起こっている。 
変化の中心に藤本美貴を据えて観察することにより
これから事務所が向かうであろう方向性と
その明暗を占うことができるのである。


第一の変化としてエッグから初のソロメンバーが選出されたことが挙げられる。
ハロプロアイドルとしては10年ぶりの大器、人気実力ともに有する真野とはいえ
五期を飛び越えての異例のソロ抜擢はヲタ界隈を大きく驚かせた。
しかしながら蓋を開けてみるとこのソロになんらかの具体性や方向性が
定められていたわけではなく、いわば空手形のソロ発表に
事務所の迷走振りを指摘するものも多くいた。
問題はなぜこのような「形亡きソロ」を先行させなければならなかったのかである。


長くなりそうなので結論から言うと
ソロ組10、5ユニットを有するエルダ総勢が25人(藤本、真野を含む)
ソロ組0、3ユニット有するワンダ総勢は23人(エッグ選抜除く)
単純に真野をソロデビューさせワンダに編入すれば数の上での均衡が取れる。
しかし事務所の意図はそれだけではなかろう。
人気のバランスを考えるとベリキューの人気に対し
最近高橋の件などで醜聞記事の絶えない娘人気は下降傾向にある。
藤本を後藤の後詰めとしエルダに復帰させた場合、
後藤ヲタはともかく娘ヲタの中核を担っていた元娘ヲタの藤本ヲタが
大量にエルダに流れ込むことは自明であった。
事務所としてはエルダが盛り上がるのはありがたいだろうが
反動でワンダが目減りし、減少分が看板であるはずの娘本体であるという事態は
絶対に避けねばならなかった。そこでロリヲタを引き止め、
かつ娘の減少分を補える人材のソロデビューを急いだのだと考えれば
いわば空手形の真野デビューに納得の行く説明が付くのである。


第二の変化は大御所、五木ひろしUFA移籍である。
紫綬褒章を受章し、還暦を迎える芸能界の重鎮が
同事務所に移籍し、歌手活動復活と若手とのコラボを明言した。
様々な見方もあるが、このコラボが藤本ソロを意識した発言であることは
火を見るよりも明らかなことである。実際に各報道機関も
麻生太郎衆議院議員内館牧子氏、松方弘樹氏などと横並びにして
藤本美貴のコメントを発表している。
これは堀内孝雄に次いで五木ひろしを藤本の後ろ盾にし、
「歌謡界」という未開拓の市場に打って出ようとする事務所の策であった。


こうした藤本の動きに合わせた様々な変化は何を物語っているのだろうか。
片方に娘の没落と、片方に新興エッグキッズ勢力の台頭がある。
恐らく今の時期は娘人気に見切りが付けられエッグキッズに
乗り換えられていく、そういった過渡期に既に差し掛かっているのだろう。
事務所の内側をシーソーに喩えると娘とベリキュー真野はそのシーソーの両極だ。
今、娘側のシーソーが急落下すれば、せっかくいい調子で温められてきた
反対側の卵(エッグ)が全て空中に放り出され潰れることになる。
娘の急落を漸近的なものに変える堅強な支点が必要なのだ。
藤本美貴にはおそらくそうした人々の期待がかかっている。
藤本が終わるときは娘もベリキューもエッグも真野も潰れる。
全てのモーヲタよ。絶対に藤本の砦だけは守らねばならない。
カセットテープでも何でもいいからとにかく三本は買え。