蒼き狼

konpri2008-02-16

ベリーズ工房ジンギスカン
ダンスマンライクな踊りと
久々のアップテンポによって
動画配信とともに既に数多の評価が下っている
多くは好意的な見解が多いが
それらは全てヲタ芸、現場の観点から
述べたものであって、私の雑感とは多少異なるものだ。


正直に言うと原曲が大好だったこともあり、
この曲に大きく期待していた私にとっては少々残念な点が残る作品であった。
まず一番いけないのは楽曲のキーが高すぎる点である。
ライブでベリーメンがこの曲を踊りながら歌唱することを想定した場合
高すぎるキーは必ずメンバーの足を引っ張ることとなるであろう。
これはベリメンの技術云々ではなく、人間の呼吸器官的な問題であって
彼の藤本美貴でさえも高音キーとともに激しい踊りを伴う歌唱においては
必ずしも音を取りきれるわけではなかったわけだから
それをベリに求めること自体フロント側の現場判断が甘いといわざるを得ない。
実際楽曲中、一番の歌上手であるはずの夏焼雅ですらもソロパートで
音を外すという信じられない事態が起こっている。
製品版ですらまともに歌えていないのにどうしてライブでうまく歌えようか。


次にいかんのはオーディエンスが園児だったことだ。
事務所としては辻加護の亡き今、久住ベリで低年齢需要を見込みたいだろうが
既に薄汚れたイメージしかないハロプロにとってはこれが一番よくない。
特にジンギスカンという楽曲はもともとの歌詞をよく吟味すると


ジン、ジン、ジンギスカン
さあ同士よ、さあ飲め、
喧嘩せい、どんどん。

ヴォッカを取ってこい、
ホホホホー
だっておいらはモンゴル人だ
ハハハハー
悪魔だってへっちゃらさ
(中略)
そしてなんでも気に入ったものは
自分のテントに持って入った。
世界で彼を愛さない女はいなかった。
一夜で7人の子供をもうけた。


というような歌詞内容である。
表現は改まっているとはいえ原曲が昨今のハロプロを見事に
物語ってしまっているPVに純粋な子供を動員するとはいかがなものか。
歌詞の性質上から言っても対象はヲタに限定。
例えば原曲どおりに曲中寸劇を盛り込み、ベリメン総勢で久住を叩くような
エンタテイメントにしたほうがもっと盛り上がるはずだ。


事務所の裁定にはいつもながら疑問符の多く残る作品ではあるが
駄曲続きだった現状にとってはいいカンフルとなりえたかもしれない。
特にベリメンの成長が輝かしい。
須藤熊井徳永清水に至っては
容姿もそうだが動きが完全に往年の娘。水準に至っている。
夏焼嗣永は他ユニットでの活躍もあり自分の見せ方をだいぶ解ってきている。
ベリメンの成長記としてはやはり特筆に価する作品だと思う。