Bouno!批判

konpri2007-07-21

2007年秋にアニメ化される「しゅごキャラ!」。
主題歌をベリーズ工房から嗣永桃子夏焼雅
キュートから鈴木愛理が出向し歌うことになった。
ユニット名は「Bouno!」
ハロプロキッズとしては初めてのトップユニットだが
ご存じない方のために喩えるなら「ごまっとう」に
近い感覚だと思っていただいてよい。
キッズの中でも屈指の実力者達が一堂に会した
まさに夢のユニットが誕生するわけだ。


しかしながら筆者の心はいささかも躍っていないことを明記しておく。


まず第一にこのユニットは生まれてくるのが遅すぎた。
トップユニットならば時期としてはピリリ〜呪縛のベリーズ最盛期に、
キッズの販促として用いられなければ意味がなかった。
三人ともまだ年若いものの、アイドルの芸歴としては十分に長く、
どうしても旬を過ぎてしまった感が漂う。


第二にメンバー選出のアンバランスさである。
恐らくはセンターを任せられるであろう嗣永桃子は、その抜け目なさと
ヲタに対する強靭な耐性をもって知られるアイドル業のプロだ。
オシャレな女子大生が、「ちょっと近づきたくないな」と感じるくらいの
キモヲタにさえ満面の笑みと、しっかりしたグリップで臨む
典型的ハローアイドルの申し子である。


夏焼雅は、これもどこの女子大生かと見紛うほどの大人びた容貌を備えた
お隣のエッチなお姉さんだ。歌唱力も高く天が二物を与えた生き証人であるが、
メンバーのバランスを考えると今回は抑え役に回されるであろう。


鈴木愛理ハロプロ内では藤本美貴の次に才能のある歌唱の達人だが
昨今の歌唱指導によってかえってその長所が失われてしまった。
天才が凡才に染まってしまった良くない例の象徴といえるだろう。


共にアイドル性、容貌、歌唱力、
キッズの中でそれぞれの分野で最もすぐれたる者が選ばれたことは
火を見るよりも明らかに相違ないが、どのメンバーもピン売りに耐えられる
クヲリティを持ち合わせているだけに、
お互いの味を殺し合いはしないかという危惧が生まれるのである。


最期に、このユニットをどう運用するかという問題である。
実は今回私が最も納得の行かないのはこの点だ。
果たして私がプロデューサーであるのなら
このように豪華な食材を使い散らかしたコース料理を、
下衆な大衆食堂のメニューとして提供するであろうか。


断じて否。


先に述べたとおりメンバーの三人は
それぞれが主菜となるに相応しき才能の持ち主だ。
アニメ市場、秋葉市場というのは
日本の市場の中でも最も価値判断のいい加減な底辺市場だ。
すでに斜陽に差し掛かっているとはいえアイドル産業のトップブランドである
ハロープロジェクトが参入すべき市場として相応しいといえるわけがない。
久住のようなぽっと出のド素人がドヘタクソな歌唱をしても
アニメ声優たる所以のみで売り上げてしまう、そんないい加減な市場で
「子供向けタイアップ」「声優需要」を見込もうなど笑止極まりない。
久住ならともかく幼少時から英才教育を施されたキッズにとってはむしろ
大いなる侮辱と受け止めるべきであろう。
これまで必死に身につけた歌唱、ダンス、オーラ全てを否定されたに等しい。
アニメ業界、声優業界に関わるということはそういうことだ。


現在のヲタ諸氏には残念ながら私と同じように感じる感性の持ち主は少ない。
長い間の事務所の洗脳によって感性が鈍ってしまった諸君。
是非にこれを機会としてもう一度考えて欲しいのだ。ハロプロとはなんだったか。
秋葉原に行きたいのなら地下アイドルを推せばよいではないか。
アニメ見たいのならアマゾンでDVDでも買え。
そうではなく自分の好きだったハロプロとはこれだ!と
大声で言うことのできる諸君に事の重大さに気付いていただければ幸いである。