攻殻機動隊

攻殻機動隊やってるんだが、久しぶりにはまったゲームだ。
射撃がいいとか、四足歩行のロボがカッコいいとか
素子萌えとか、そんな惰弱な理由ではまってる訳ではない。
その荘厳な世界観がいいのだ。まず事件の中心となるMM米。
米ですよ、米。これが麻薬みたいなもんなのかなと思いきや、
なんかウィルスが仕込まれていて食うと発狂するというサイバーな代物。
独立を目論む東北自治区が本国を脅迫するために作ったものらしい。
独立させてくれなかったらヤッチャウヨ。ってなわけだ。
そして最終決戦はだだっ広い黄金の稲穂輝く田んぼで繰り広げられる、
片隅には農夫の墓。麦わら帽子に爆音。


岩手だの、花巻だの、米だの、田んぼだのが宮沢賢治的な世界を思わせてるんだが
殺戮と賢治の世界という一見相反する要素が微妙にマッチして見えるのは、
賢治の作品が幻想に満ちた物でありながら、飢餓と貧困に喘ぐ凄惨な農夫の
実生活を背景に含んでいるからなのだろう。その辺が陳腐なシナリオを
何となく奥深く見せかけている。


俺は賢治のような根の暗い部分を持った作品は結構好きなわけだが、
わかった。桃子のことを好きな理由。
飢餓、貧困、そして根の暗い所を持っているからだ。